つくづく、私は浅ましい人間だと思う。
まだ日も沈んでいないし、これから行政部との意見交換会だし。
行政部と占領地の税制指針について詰めないといけない。
でもまだ時間あるし、一ヶ月ぶりだし、もう一回くらい。
やっぱり怒られるかな。


そう言えば、やっと汗が引いてきたのに気が付いた。
湿度の高い空気を肺に送り込んで、上半身を起こす。
時計を見たら、1時間も経っていないのに気が付いた。
がつがつしすぎだな、と呆れる。


「無理させてすみません。」


隣で横になっている彼に視線を移す。
休憩中の彼の部屋に押し掛けて、押し倒して、今に至る。
3時間、彼と私の休みが重なっているの気付いて、飛んできた。
何でだか、彼を身体で感じたくて堪らなくなったのだ。


「私の歳を考えて欲しいな。」
「でも元気じゃないですか、司令。」
「・・・毎回、元気にさせられている自分が情けない。」


苦笑する彼が可愛くて、ついつい笑みが零れる。
今この瞬間、彼は私が独占しているんだと思うと嬉しくて堪らない。


「情けないついでに、ですけれど。」
「ん?」
「・・・・・もう一回。」


彼が溜息を吐くより早く、私は彼に手を伸ばした。
自分のがすでに張り詰めていることに我ながら驚く。
それを彼に気付かれて、顔が熱くなった。


照れ隠しに唇を重ねる。
手は、徐々に熱を帯びてくる彼のから離さない。
苦笑しながら彼は私のキスに応えてくれた。
頭がぼうっとなる。


「あっ、ふぁっ、きもちい・・・。」
「そんなに煽らないで欲しいな。」


彼の指先は私の耳の後ろから首筋にかけてを流れていく。
擽るような微弱な快感を与えられ、腰が揺れる。
すぐにも触って欲しいのに、彼は気付かないふりをする。


「どうしたの?言ってくれなきゃ分からないな。」


素知らぬ顔で尋ねて、今度は彼から唇を重ねてくる。
優しい人なのに、時々こうしたサディスティックな一面を見せる。
こんな彼を知っているのは私だけかと思うと、ますます熱くなる。


彼の指一本でどうしようもなく追い詰められる。
酸素が足らなくて早いペースで何度も息をつく。
空気まで喉を焼くぐらい熱くて、独特の匂いと湿気を帯びていた。


「触って欲しいの?」


彼の指が先端を掠めて、快感に鳥肌が立った。
声が出なくて、必死に頷く。
それでも触れてくれない彼に焦れて抱きつく。


凄いな。
仕事で一緒にいる時と全然違う。
いつも通り優しいのに、怖いくらいにドキドキする。
もう何度も彼と寝ているのに。


いつもこうして、一方的に私が誘う。
彼は苦笑しながらも付き合ってくれて、何度も私を抱いてくれる。
その瞬間だけは彼が私を愛してくれていることに確信が持てる。
彼の気持ちが他の人へも向いていることを忘れられる。


彼の繊細な指が触れる。
焦らされたからか信じられないくらいの快感が襲った。
3回目なのに、すぐにでも達してしまいそうなのを堪える。
私の手の中で彼も熱く張り詰めているのが分かって身体が疼いた。
早く欲しい、繋がりたい。


「挿れてっ。」


荒い息の合間に言葉を搾り出した。
繋がりたい。彼の熱をより深く、もっともっと感じたい。
三回目のそこは難なく彼を受け容れた。
繰り返される摩擦に、ヒリヒリと軽い痛みを感じた。


「大丈夫?」


私の額に張り付いた髪を払いながら、彼が見詰める。
そんなに心配そうな顔をしないで欲しい。
盛り上がっているのが自分だけだと気付いてしまう。
今はただ、彼の身体に私の身体を求めて欲しい。


心まで全部とは望まない。
半分ぐらいが私に向いていてくれれば良い。
でも身体ぐらいは、今だけでも全部向けてくれたって。


だんだんと考えが及ばなくなってくる。
彼の首に手を回して、打ち付けられる彼を受け止める。
荒く扱われるのが私は好きだから、彼はそうしてくれる。


「あっ、司令・・・汗、凄い。」


私の胸に彼の額から雫が落ちて気が付いた。
必死に抱いてくれてるのが分かって、胸が一杯になった。
堪えていた箍が外れてしまい、一気に絶頂に駆け上がる。
出ちゃう、と思ったのか、実際に言ったのかは良く分からない。
自分が飛ばしたものが胸や顔まで飛び散った。


「ごめんね、もう少し。」


彼は点々と飛び散ったものに口付けながら続ける。
今彼は、自分の快感を得る為にしてるんだな、と気付いた。
抱いてもらってるんじゃなくて、抱かれてる。
今、彼は私を必要としているんだと強く思った。


切なげに彼の表情が歪む。
それがとても愛しくて、私は腕に力を込めた。
好き、大好き、そんなのじゃ言葉が足らないぐらい。
それでも私はうわ言のように繰り返した。


一層強く打ち付けられて、身体の奥に熱いものが放たれる。
じわっと私の中に滲み込んでくるように感じた。
この瞬間が無限に続いたら最高なのにな。














・・・・・・・・・・














一ヶ月ぶりの逢瀬が終わる。
シャワーを浴びて服を着て、もうお互い表情が違っていた。
私も彼も、心と身体を仕事用に切り替える。
部屋を出たら、もう上司と部下。
名残惜しいような気もするけれど、今日はもう十分。


「では、これで。」


一礼して、部屋を出る。
彼は何も言わないで微笑んでいた。
「また」と言いたくて、私は言えなかった。


やっぱり、全部欲しいな。
身体も、心も、彼の全部が。














あとがき
リトカーをHさせてみただけです。
基本的にこの二人はこの形ですね。
てか、カー君やらしいな。(笑)
ミクリトが背景にあるリト←カーがうちのリトカー。
徐々にリトさんの心が侵食されていくんだよ、カー君に。
でもカー君は案外その辺に気付けない。
だから毎回必死に襲い受けを試みる訳ですね。
リトさんは自分からは手を出せないヘタレ。
親としてとか、ミクさんへの気持ちとか、色々心中は複雑。
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